Vol.8

adidas originalsのSUPERSTAR SLIPON W

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僕が靴紐を結ぶときに、もっともこだわりをもっているのがアディダスのクラシックモデルに対してです。

基本的にスニーカーは、足の甲の部分を外側から包み込むようなパーツで構成された、外羽根と呼ばれる構造です(対してヴァンズのオーセンティックやエラは、内羽根といいます)。

外羽根は、甲の圧迫加減をシューレースの締め具合で調節できるため、スポーツシューズに多いのです。

コンバースのオールスターもそうですが、アディダスのスーパースターやスタンスミス、キャンパスなどは、この外羽根の締り具合によって造形美ともいいましょうか、見た目の美しさがまるで違います。

上から3〜5つめのシューレースホールがキュッと細くなり、下に向かって少しずつ広がっていく「 )( ←こんな感じ)」のがスニーカーがセクシーに見えます。

しかしこの部分が平行だったり、さらに羽根が開いていると、とても野暮ったく見えます。

女性はスニーカーを履いている姿よりも脱ぎやすさを意識している、と聞いたことがあります。

それ故に、女性に限ってスニーカーがだらしなく見えることが多いです。

3年くらい前からレディスで大人気のこのクロスストラップ式のエラスティックバンドがつくSUPERSTARは、着脱も楽だし何もしなくても足元がそれとなくシャープに見える。

何より女性特有のスニーカーに対する煩わしさから解放された、とても理に叶ったデザインだと思います。

昨今は、アッパー自体がフィットを調整できるニット素材が進化したため、ワンピース構造が主流になり、シューレースの必要性はなくなりつつあります。

僕自身は、女性にこそ少し大きめのサイズを選び、まるでウエストのくびれのように紐をキュッと縛って整えて履きこなして欲しいのですが、メンズに比べてスニーカー文化が発展途上な現状を考えると、まだ時間がかかるように思います。

しかし、こういったミニマルなデザインが身近になれば「スニーカーを履く」から「スニーカーを美しく見せる」ことに気を遣うようになり、もっとおしゃれを楽しめると思います。

くれぐれもRUN DMCをはじめとするヒップホップのラッパーたちがSUPERSTARを紐無しで履いたように、だらしなく見せないように。

彼らがなぜ、紐をつけなかったのか。

これは刑務所で入ったときに、紐が凶器になるため、外さなければならなかったためですから。

小澤匡行

MASAYUKI OZAWA

1978年生まれ、千葉県出身。雑誌『Boon』でライター業をスタート。現在は編集・ライターとして『MEN’S NON-NO』、『UOMO』(集英社)等のファッション誌やカタログ、広告などで活動。2016年に『東京スニーカー史』(立東舎)を上梓、近著に『SNEAKERS』(スペースシャワーネットワーク)の日本語監修など。

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